モンゴル出身力士が強い理由
日本の大相撲にいる幕内力士のほぼ半分はモンゴル出身力士が占めています。横綱も4人中3人を占めています。では何故これほどまでに強いのかというといくつか理由があります。
まずモンゴル人は遊牧民族で、広大な大自然の中で、放牧をしながら生活をする為、小さい頃から家畜を追いかけたり、馬に乗ったりします。特に乗馬は全身の筋肉を使い、バランス感覚も養われ自然と身体が鍛えられる為、体が強いといわれています。
また食生活でも、厳しい冬を乗り越える為に、乳製品である馬乳酒といった栄養がたくさん含まれたものや、肉類もたくさん食べる為、日本人と比較しても筋肉量が多いのも強い理由の一つです。
さらに、日本の大相撲と似ているモンゴル相撲があり、なじみ深いために日本の相撲にも対応しやすいというのも理由です。
他にも、日本人に比べてストイックというのもあります。自分の母国を離れ、異国の地で成功をつかむという強い気持ちをもっているという面が大相撲で活躍している理由として言われています。
外国人力士 大相撲の見方が変わる
大相撲は言わずと知れた日本の国技です。しかし、日本人だけではなく外国出身の力士が数多く在籍しています。大相撲全体で663人在籍している中で、外国人力士は34人(5%)ですが、幕内に限定した場合、全体で42人のうち外国出身は12人(29%)にもなります。
大相撲の頂点に立つ横綱4人のうち3人がモンゴル出身というだけでもわかりますが、現在の大相撲は外国人が支えていると言っても過言はありません。
外国出身の人が増えてくると、日本の伝統的な文化が変化してくることがあります。例えば、話し方や表情などです。昔のお相撲さんはシャイで無口、余計なことは話さずただ「ごっつぁんです」だけを言うイメージでしたが、外国出身の人はやはり喜怒哀楽がはっきりしています。
引退した朝青龍などモンゴル出身は激しい気性怒りを全面に出す人が多いですし、ヨーロッパ出身ですと勝てば大いに喜び、負ければとても悔しがったりします。横綱に初めて勝った時などは喜びのあまり土俵上で泣いていた人もいました。昔と違い、力士一人一人のそのような表情を楽しむのも現在の相撲の見方の一つでしょう。